老人ホームの夜勤、3階の空き部屋から聞こえる足音の話
Oさん(仮名・44歳女性・新潟県の介護福祉士)から届いた話。勤務する老人ホームの夜勤で、3階の長く空いている部屋から、毎晩2時前後に足音が聞こえる経緯。
勤続15年、夜勤は週2回
Oさんは介護福祉士として勤続15年、現在の老人ホームに5年勤務。夜勤は週2回、夜10時から朝7時のシフト。
3階の北側の角部屋は、入居されていた女性が3か月前に体調を崩して退去、それ以降、空き室になっていた。
最初に気付いた足音
ある夜勤の深夜2時前、Oさんが3階の廊下を巡回していた時。空き部屋の中から、ゆっくりした足音が聞こえた。
「最初は、新しく入居予定の方が早めに荷物を運んでいるのかと思って。でも、空き室の鍵はナースステーションで管理しているから、勝手に入れるわけがない」
鍵を取って、確認
Oさんは鍵を取り、空き部屋を開けた。室内、誰もいない。ベッドはマットレスだけ、家具は何もない状態。
「窓も閉まっている、空調も止まっている。足音の音源になりそうなものは、何もなかった」
翌週の夜勤、また同じ時間に
翌週の夜勤、Oさんが同じ巡回ルートを歩いた時。同じ部屋から、同じ足音。時刻はやはり2時前後。
「同じ夜勤の同僚にも、こっそり確認してもらいました。同僚も足音を確認したけど、部屋を開けたら誰もいない、同じ結果でした」
施設長への報告、点検依頼
Oさんと同僚は、施設長に報告。施設長は建物の点検業者を呼んだ。
業者の点検結果は、『配管・空調・床材いずれも異常なし』。施設長は、念のため、近所の神社にご祈祷をお願いした。
ご祈祷後、しばらく止まった
ご祈祷の翌週から、約1か月、足音は止まった。Oさんも同僚も、3階の巡回時に何も聞こえなくなった。
「施設長は『これで解決したね』と。ただ、その1か月後の夜勤で、私はまた足音を聞きました」
止まったり、戻ったりが続いている
現在、Oさんが夜勤の時、足音は時々戻ってくる。月に2、3回ぐらい。
「最近は、聞こえても部屋を開けない、ことにしました。新しい入居予定はまだ無く、空き部屋のままです。施設長は『そういうものかもね』と話しています」
追加で聞いた話
取材のあと、Oさんから補足の連絡が届いた。
「3階の北側の角部屋について、勤続20年のベテラン職員に聞きました。同じ部屋で、5年前にも似た話があったそうです」
当時の入居者は90代の女性だった。亡くなる前の数か月、毎晩2時前に廊下を歩こうとして転倒、ベッドに戻る、ということを繰り返していた。
「夜中の見回りで、ベテラン職員が何度も介助した部屋。亡くなってから、ご家族が遺品を引き取りに来た時に『母が一番夜が長く感じていた部屋』と話していた、と聞きました」
その方が亡くなったあと、別の入居者が短期間で2人入った。どちらも数か月で退去。理由はいずれも『部屋の中の何かが気になる』だった。
3か月前に退去された女性は、3人目だった、と聞いた。