大学院の研究室、深夜のコピー機が独りで動いていた話
Nさん(仮名・26歳男性・京都府の大学院生)から届いた話。修士論文の追い込み期、深夜の研究室で、誰も使っていないコピー機が独りで紙を出力していた経緯。
修論の追い込み、深夜3時の研究室
Nさんは工学系の修士2年。2025年1月、修論提出の2週間前。深夜3時まで研究室に残るのが日常になっていた。
研究室棟は24時間出入り可能。深夜の5階は、Nさん以外、誰もいない。
コピー機の動作音
ある深夜、Nさんが自分の研究室から出て、共用スペースのコピー機を使おうとした時。コピー機が、既に動いていた。
「誰か他にも居るのかと思いました。でも、コピー機の前に人がいない。出力トレイには、印刷が終わったA4の紙が3枚ほど」
印刷物の中身
Nさんは、出力された紙をなんとなく見た。専門書の1ページのスキャン、英語の論文の1ページ、そして、Nさんが知らない人物名の名簿。
「3枚目の名簿は、明らかに研究室の同窓会名簿のような体裁。でも、私が知っている名前は1人もいませんでした」
コピー機のジョブ履歴を確認
翌日、Nさんは研究室の事務局に相談。コピー機のジョブ履歴を確認してもらった。
「事務局の方が、印刷ジョブの送信元IPアドレスを調べてくれました。結果、3年前に退学した先輩のPCからのジョブだった」
退学した先輩のPCは、研究室から既に処分されているはず。
退学した先輩、3年前の状況
事務局によると、その先輩は3年前、修士1年の途中で退学。家庭の事情、と聞いていた。退学後、研究室との連絡は途絶えていた。
「私はその先輩と直接の接点はありませんでした。ただ、退学したPC、3年経って、深夜に動く理由は、事務局にも分かりません、と」
修論提出後、Nさんが行ったこと
Nさんは無事に修論を提出。卒業前、退学した先輩について少し調べた。先輩は3年前に退学した後、地元に戻って家業を継いでいる、ということが、別の同期から聞けた。
「先輩は元気でやっているそうです。ただ、私が見たコピー機の3枚の紙が何だったのか、本当のところは、今も分かりません」
同期からの追加証言
修論提出後、Nさんは退学した先輩を知っている同期にも、もう少し話を聞いた。
「『先輩が退学する前の半年、深夜の研究室で似たことがあった』と聞きました。プリンタが勝手に動く、機器のLEDが点滅する、エアコンの設定が朝になると変わっている、と」
当時はそれを『機器の老朽化』として処理していたが、先輩が退学を申し出たのは、その現象の数週間後だった、という。
「先輩自身は、現象との因果関係は否定していたそうです。家庭の事情も実際にあった、と。ただ同期の間では『あの研究室、たまにそうなる』という認識があった、と聞きました」
Nさんが見た3枚目の名簿について、同期に確認したところ、退学した先輩の卒業予定だった代の同窓会候補名簿だった可能性が高い、と。
「先輩が、自分の卒業しなかった代の名簿を、当時PCに入れていた可能性は十分あります。3年経って、なぜ深夜にそれが出力されたか、は誰も説明できません、と同期も言ってました」