曽祖母の家の隣の和室で昼寝をすると、必ず同じ夢を見る話
Aさん(仮名・39歳女性・神奈川県のフリーランスデザイナー)から届いた話。母方の親戚が集まる築90年の古民家で、隣の和室で昼寝をすると、必ず同じ夢を見る経緯。親戚の年長者の中で、同じ夢を見た人が複数いる。
管理人としては、家系の中で世代を超えて共有される夢という類の話は判断が難しい類型で、Aさんからの取材も2回に分けて、時間をかけて聞かせていただいた。
曽祖母の家
Aさんの母方の本家は、長野県の山間部の集落にある。曽祖母が10年前に亡くなったあとは、伯父(70代)の家族が継いで管理している。築90年以上の古民家、屋号で呼ばれる古い家筋で、お盆と正月に親戚が集まる場所になっている。
家の構造は、玄関を入って広い土間、座敷が3部屋、その奥に納戸と仏間。Aさんが昼寝で使う和室は、座敷の中で一番奥の部屋。普段は親戚の女性陣が休憩に使う部屋として割り当てられている。
最初の夢、22歳の夏
Aさんが最初にその夢を見たのは、22歳の夏休みに帰省した時。お盆の集まりの後、午後の昼寝で2時間ほどその和室で寝た。
夢の内容:白い着物の女性が、廊下から膳を運んでくる。Aさんは座敷の中央に座っていて、女性は膳をAさんの前に置き、礼をして下がっていく。膳の上には何が乗っているのかは、はっきり見えない。
夢の感触ははっきりしていて、目が覚めても廊下の音や女性の足音の余韻が残っていた、と。
母に話したら
夢の話を、Aさんが母に話したところ、母は驚いた様子で「私も若い頃に、あの部屋で同じ夢を見たことがある」と答えた。
母の見た夢の女性も、白い着物・廊下から膳を運ぶ・座って礼をして下がる、という一連の動作だった。膳の中身は母も覚えていない。
「母から『あの部屋では、よくその夢を見るって、子供の頃に伯父さんたちが話してたよ』と聞きました。家系の中では知られている話だったみたいです」
伯父・叔母にも確認
翌日、Aさんは伯父(曽祖母の長男)と叔母(曽祖母の次女)に確認した。
伯父は「ああ、あの部屋ね。俺も若い頃に何回か見た。母さん(曽祖母)も生前『あの部屋では、よく夢を見るんよ』と言ってた。家の言い伝えだ」と答えた。
叔母は「私も若い頃に1回見たな。膳を運んでくる白い着物の人。礼をして下がる。あれは何の夢なんだろうね」と話した。
由来を聞いた
Aさんが伯父に「あの夢の由来は分からないんですか」と聞いたところ、伯父はしばらく考えてから「正直、誰も知らない。ただ、家を建てた時にこの部屋で何かをしてた、という話は曽祖父の代から伝わってる」と答えた。
「『何か』が何なのかは、誰も明確には説明しない。Aさんが3回目の取材で母に追い詰めて聞いた時、母は『たぶん、嫁入り前の女性が、家に入る前にお膳を受ける儀礼みたいなのがあった、と昔聞いた』と話してくれました」
つまり、嫁入り前の儀礼の場として使われていた可能性がある、というのが家系の中の最も納得感のある説明だった。
その後の帰省
Aさんは現在も年に2回、お盆と正月に帰省する。その和室で昼寝をすることは続けていて、見た記録があるのはこれまでに7回。
「夢を見るのは、必ず昼寝の時です。夜の睡眠中に見たことは一度もありません。寝る時の体勢も関係ないようで、横向きでも仰向けでも見ます」
夢の内容はいつも同じ。白い着物の女性、廊下から膳、礼、下がる。膳の中身は今も見えない。
娘にも見せたい、と書いていた
Aさんには現在3歳の娘がいて、近い将来、娘もその家に連れて行くつもり、と。
「無理に昼寝をさせる気はありませんが、もし娘もあの部屋で同じ夢を見たら、家系で続いてる何かが、また一世代続くことになります。何が続いているのかは、私もよく分からないままです」