深夜のコンビニ、毎晩2時45分に雑誌コーナーだけ立ち読みする男性の話

約3分
深夜のコンビニ、毎晩2時45分に雑誌コーナーだけ立ち読みする男性の話
目次
  1. 修論期間中の夜勤シフト
  2. 最初に気付いたのは秋頃
  3. 雑誌コーナーから動かない
  4. 2か月目、男性の存在が気になり始めた
  5. 店長への報告
  6. 3か月目、男性が来なくなった
  7. 立ち読みの理由
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Hさん(仮名・26歳女性・千葉県の大学院生/コンビニ夜勤アルバイト)から届いた話。夜勤シフトの3か月間、毎晩2時45分に必ず来店して雑誌コーナーだけ立ち読みする40代男性を観察し続けた経緯。

修論期間中の夜勤シフト

Hさんは大学院修士2年、修論を書きながら、生活費のためコンビニで夜勤アルバイトをしていた。シフトは週3回、22時から翌朝6時まで。
店舗は千葉県内のロードサイド型。夜間は客数が極端に少なく、深夜帯は1時間に2〜3人程度の来店だった。

最初に気付いたのは秋頃

夜勤を始めて1か月ほど経った頃、Hさんは深夜帯のルーティンとして、ある男性客の来店時間が毎晩同じだと気付いた。
40代くらいの男性、痩せ型、いつも同じ紺色のジャケットを着ている。来店時刻は毎晩2時45分前後で、ほぼ1分とずれない。

「最初は、近所に住んでる人なのかな、と思いました。コンビニで雑誌を立ち読みしてから帰る、っていう習慣の人は、確かにいます」

雑誌コーナーから動かない

男性の行動はいつも同じだった。
入店して挨拶もせず、雑誌コーナーへ直行。週刊誌を1冊手に取り、20分ほど立ち読み。元の位置に戻して、何も買わずに退店する。

「店内の他の場所には目もくれません。私のレジ前を素通りして雑誌コーナー、立ち読み、そのまま出口」
退店時刻は3時5分前後。これも毎晩ずれない。

2か月目、男性の存在が気になり始めた

夜勤シフトの2か月目に入った頃、Hさんは男性の存在を気にし始めた。
「同じ時間帯にずっといると、来店の予告がない時間が逆に怖くなるんです。今日来るかな、今日も2時45分かな、と毎晩確認するようになりました」

男性は雨の日も来た。台風で停電寸前の夜も来た。一度だけ、2時48分まで来なかった日があり、Hさんはその3分間、レジから何度も外を見ていた、と。

店長への報告

2か月半経った頃、Hさんは店長に相談した。
「毎晩同じ時間に来る男性のお客様がいて、何もお買いにならないので、防犯上気になる、と」

店長は防犯カメラを確認した。映像で見ると、男性は確かに毎晩2時45分前後に来店し、3時5分前後に退店している。万引きや不審な行動はない。
「店長は『立ち読みだけなら、注意するほどでもないけど、気になるなら遠回しに声をかけてみたら?』とアドバイスしてくれました」

3か月目、男性が来なくなった

夜勤シフトの3か月目に入った週、男性が来店しなくなった。
2日、3日、と来店が途絶え、Hさんは「異動か引っ越しかな」と思っていた。

1週間後、店長から、警察経由の情報として伝えられた話があった。
「『2時45分にうちに来てた男性、近隣で事故に遭われたみたいで』と。詳細は教えてくれませんでしたが、深夜の徒歩での交通事故、店から徒歩10分圏内、と聞きました」

立ち読みの理由

その後、店長が警察関係者から間接的に聞いた話によると、男性は自宅と職場の間でコンビニを通り、夜勤明けの帰り道の途中、雑誌の立ち読みを習慣にしていたそうだ。
「『家に帰ると、奥さんを起こしてしまうから、深夜の20分間だけ時間をつぶしていた』と聞きました。家族のことを考えての習慣だった、と」

Hさんは、男性が来なくなって2週間後、コンビニのアルバイトを辞めた。修論の追い込みも理由だったが、雑誌コーナーを見るたびに、男性のことを思い出して、つらかった、と書いていた。

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