中学校の昇降口、校庭の砂が毎朝同じ模様で散らばっている話

約3分
中学校の昇降口、校庭の砂が毎朝同じ模様で散らばっている話
目次
  1. 赴任した最初の朝
  2. 模様の特徴
  3. 翌朝も、同じ模様
  4. 用務員さんに聞いた
  5. 防犯カメラの映像
  6. 校長と教頭の説明
  7. 現在の対応
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Tさん(仮名・39歳男性・新潟県の公立中学校教員)から届いた話。勤務する学校の昇降口前に、毎朝、同じ螺旋状の模様で校庭の砂が散らばっている経緯。

赴任した最初の朝

Tさんは現在の中学校に5年前に赴任した。新潟県内の公立中学校、生徒数200名規模、駅から徒歩15分の住宅街にある学校。
赴任初日、Tさんが朝7時頃に正門から入った時、昇降口前のアスファルトに、砂で描いたような模様が広がっていた。

模様の特徴

模様は螺旋状で、直径2メートルほどの円が3つ、重なり合うように並んでいた。砂は校庭から運ばれてきたもので、量はバケツ一杯分くらい。
「最初は、夜に生徒が悪戯をしたのかな、と思いました。でも、模様があまりに整っていて、人が手で描いたとは思えない繊細さでした」

Tさんは職員室で校長に話した。校長は「ああ、それね。気にしないでいいから」とだけ答えた。

翌朝も、同じ模様

翌朝、Tさんが同じ時間に出勤すると、昇降口前には同じ模様が描かれていた。前日の模様は、用務員さんが清掃で消していたはず。
「位置も、サイズも、螺旋の方向も、前日と全く同じでした。誰かが毎日同じ模様を再現している、ということになります」

用務員さんに聞いた

1週間後、Tさんは用務員さん(50代男性)に率直に聞いた。
「『毎朝、模様を消されてますよね。あれは何ですか』と。用務員さんは『俺がここに来て15年、毎朝同じ模様だよ。誰が描いてるか、誰も知らない』と」

用務員さんによると、模様は毎朝必ず描かれている。土日も、夏休みも、学校が閉まっている時期も、月曜の朝に出勤すると同じ模様が描かれていた、と。

防犯カメラの映像

Tさんは、PTA経由で導入された防犯カメラの映像を、校長の許可を得て確認させてもらった。
昇降口前を映すカメラは、夜間も録画している。再生したところ、22時から翌朝6時までの間、誰も昇降口前に出入りしていない。アスファルトには何も描かれていない状態のまま。
「6時頃、急に画面に砂の模様が現れます。砂が運ばれてくる過程は映っていません。一瞬で、模様だけが現れる」

校長と教頭の説明

3年目に入った頃、Tさんは校長と教頭に正式に説明を求めた。校長は「君も赴任して長くなったから、伝えておく」と話し始めた。
「『この学校が建つ前、ここは古い社の跡地だった、と地元の方から聞いている。模様は、たぶん、その関係。毎朝消すから、生徒や保護者の目には触れない。校長として教員に伝えるのは、5年勤務した職員までだ』と」

教頭も「私は前任校からの引き継ぎでこの話を聞いて、最初は信じられませんでした。ただ、毎朝確認しているうちに、慣れました」と。

現在の対応

Tさんは現在、教員として5年目、模様を見る立場の側に立っている。
「毎朝6時半に出勤して、用務員さんと一緒に模様を確認して、清掃で消す。それが私のルーティンになっています。生徒や保護者には共有していません」

学校としては、模様を消すことで日常を維持している。地域の方々や、Tさん赴任前から勤務している教員数名が、この事実を共有している、と。
「学校という空間が、何かを抱えながら運営されている、という現実を、教員になって初めて知りました」

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